【SankeiNews】岸田首相、NPT会議で初演説 核廃絶へ行動計画発表

【ニューヨーク=岡田美月】岸田文雄首相は1日(日本時間2日)、米ニューヨークの国連本部で開幕した核拡散防止条約(NPT)再検討会議に出席し、演説を行った。首相は自身が掲げる「核兵器のない世界」に向け、核戦力の透明性向上などを盛り込んだ5本柱の行動計画「ヒロシマ・アクション・プラン」を発表した。
首相は演説で、国際社会が核兵器不使用の継続の重要性を共有すべきだと強調した。核兵器保有国に対して、濃縮ウランやプルトニウムなど核分裂性物質の生産状況に関する情報開示を求め、核戦力の透明性向上を呼びかけた。
首相は演説後、記者団に「現実的にどのように核兵器のない世界に向けて歩みを進めていくのか。これを示すことが日本にとって大事だという思いでスピーチを作った」と説明した。2015年の前回会議で最終文書が採択されず終了したことを踏まえ、「今回はぜひ、具体的な成果を出すためにしっかり努力をしていきたい」と語った。
首相はこの日、国連のグテレス事務総長とも会談した。ウクライナ産穀物の輸出再開をめぐる国連の取り組みを評価したうえで、国連全体の機能強化が重要だとして、国連と緊密に協力することを確認した。世界の若者を日本に招いて被爆の実相に触れてもらうため、国連に1千万ドル(約13億円)を拠出して「ユース非核リーダー基金」を立ち上げる意向も伝えた。
首相はまた、日本など非核保有12カ国でつくる「軍縮・不拡散イニシアチブ(NPDI)」のハイレベル会合に出席し、今回の再検討会議で成果を収めることができるよう協力を呼びかけた。
首相は一連の日程を終え、政府専用機で帰国の途に就いた。

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