【ANNnewsCH】歴史的な円安で加速する外国人の“日本買い” 不動産「一棟買い」もリモートで即決

記録的な円安が進む中で、割安である今がチャンスと、海外から日本のモノや不動産を買い付ける動きが加速しています

▽「とっても安い」外国人の“日本買い”
(佐々木一真アナウンサー)「歴史的な円安となる中、秋葉原の街では、買い物袋を提げた外国人の姿が多く見受けられます。」
仕事のために来日したアイスランド人の一家。子どもの誕生日に買ったのは―
「わー!すごく大きなレゴ!これおいくらくらいですか?」
「2万2800円。ちょっと贅沢に。日本は今、例外的に安くなっているから」
今や外国人にとって、日本は“安い国”です。
「1日にフィギュアを50個くらい買います。」
買い集めたフィギュアは、メキシコに送ると言います。
「取引相手はホビーショップをやっているので、(メキシコの)お店で販売されます。」
「とっても安い。」

円相場は、今月13日、1ドル=135円台に下落し、およそ24年ぶりの安値となりました。
さらに、アメリカが政策金利を引き上げた一方で、日本は超低金利政策の継続を決めたため、運用に有利なドルを買い、円を売る動きが強まり、円安が一層進む可能性もあります。
急速な円安の影響はここにも―
「アメリカに比べて、安いと思います。」
実は、日本のiPhoneは世界でも“最安”水準。例えば、iPhone13、128ギガバイトモデルの日本での販売価格は9万8800円と、日本以外の平均に比べて、およそ2万7000円も安くなっているのです。
「(東京で)アップルウォッチを買い、きのうは京都のアップルストアでiPad Proを買いました。」
「すべて安いです。家賃も心配する必要がなくなりました。」
Q. アップル製品に限らず?
「すべてです。」

▽不動産でも“日本買い”リモートで即決
円安が加速する“今が買い”。香港では、日本の不動産も人気です。
日本の物件を多く取り扱う、トラスティ不動産です。円安になってから、問い合わせ件数は倍増したと言います。
「リビングに行ってみましょう。大きなベッドを2つ並べました。とても広いです。リビングは合計16畳あります。」
客は、香港にいながら、リモートでつないだり、事前に撮影したりした映像で、日本の物件を内覧していきます。
「仕事が終わり帰宅したら、お風呂で一日の疲労を効率的に解消できます。」
「契約内容の確認が終わったらサインをして頂きます。」
こちらの女性は、実際に日本に行くことなく、この日、札幌市のマンションの購入を決めました。
「円安だから本格的な経済回復が始まる前のこのタイミングを見計って、先行投資しようと思ったことが、購入した決め手の一つです。」
今は東京、大阪など、大都市圏にある2000万円程度の物件が次々と売れているといいます。
(TRUSTY不動産 関正安代表)「今、日本の物件を買うというのは、割引きがあるということと同じです。中流階級と富裕層ではなく、一般の人からの問い合わせも多くなりました。」
一方で、富裕層は、さらなる高額物件を買い進めていると言います。
(TRUSTY不動産 関正安代表)「大金持ちの投資家が狙う物件はかなり高額になっています。1億円から10数億円ぐらいの物件を購入することはよくあります。」
この週末、関正安代表の姿は、大阪にありました。
(TRUSTY不動産 関正安代表)「こちらはホテルのロビーです。購入する前は更地でした。ゼロから始めて、どんな建物にするかお客様と相談していきます。」
トラスティ不動産が今、力を入れているのは、日本でのホテルや民泊などの物件。見据えているのは、コロナ後の観光需要です。
(TRUSTY不動産 関正安代表)「制限なく入国できるようになれば、高額物件だけでなく手ごろな物件も売れる。物件全体の価格は上昇していくと思います」

▽「メイド・イン・ジャパン」回帰へ
円安が止まらない中、日本の企業には生産拠点を海外から国内に戻す動きも―
全国のデパートに出店する、ファッションブランド「アンタイトル」。
(佐々木一真アナウンサー)「こちらのジャケットは中国製。そして、隣にあるこちらのジャケットはベトナム製と、こちらのブランドは、3年程前まで半数以上が海外製だったんですけれども、現在は7割ほどが日本製だと言います。」

このブランドを展開する「ワールド」では、デパート向けの商品を次々と“メイド・イン・ジャパン”に切り替えています。
(ワールドインダストリーファブリック 河名一幸工場長)「こちらがワールドグループの岡山工場となります。実際に110名くらいが働いている工場で、こちらが国内生産向けに増強したラインとなります。」

生産体制を強化するため、今年は、例年のおよそ2倍となる10人を新卒採用。さらに、生産ラインの増設も考えていると言います。
(ワールドグループ 大峯伊索常務)「(デパート向け商品は)昨年で35%の国内生産比率になっております。本年においては50%、3年後90%程度、ないしはそれ以上には引き上げる方策で今動いております。」
「ワールド」が国内生産への回帰を押し進める、大きなきっかけとなったのが、中国やベトナムなどでのロックダウンです。
そこに歴史的な円安が襲いかかり、人件費や原材料費など、海外生産にかかるコストも上昇する事態となりました。
(ワールドグループ 大峯伊索常務)「賃金だけ単純に例えれば、まだ日本の人件費は高い部分もございますけれども、輸送費も含めた原材料費であるとか、コストオールとしては昨今の為替(円安)も含めると(海外生産に)もうすぐ追いつくんじゃないかと予想しています。」
国内生産だからこそのメリットも見えてきました。
「ちょっといいかな。もう少し多めに止まらずに長い距離を縫えるように。」
国内で生産することで、技術の継承や品質管理がしやすくなり、納品までの時間も、海外生産の半分に短縮できました。また店頭での売れ行きに合わせた追加生産も可能で、急な発注にも応えられると言います。
(ワールドインダストリーファブリック 河名一幸工場長)「適時に店頭に供給ができるというのが国内生産の強みだと思います。製品の廃棄ロスの削減につながるのではないかなと思っています。」

6月19日『サンデーステーション』より
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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