時事問題のノート2018【ノートの一部を紹介】働き方改革関連法案

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この機能を有効にすると下記のテーマの13本の記事を読むことができます。

最近は、記述式の時事問題が増えてきました。
そのような時事問題に対応できるように、2019年度の入試に出題が予想される下記のテーマについて詳細を解説しています。

  • 世界遺産1・2・3
  • 第196通常国会と成立した法案1・2・3
  • 日本国憲法1・2・3
  • 周年問題
  • 朝鮮半島に関連する時事問題1・2・3

時事問題アプリのクイズと一緒にぜひ活用してください。

サンプル記事

第196通常国会と成立した法案に関する時事問題1

2018年1月22日に始まった、第196通常国会について3回に分けて解説します。

安倍総理大臣は、施政方針演説で、労働制度を抜本的に改める「働き方改革」、少子高齢化の克服に向け「人づくり革命」「生産性革命」に取り組む決意を示しました。
また、防衛力の強化やアジアのインフラ需要に応えていく考えを打ち出しました。

この国会で成立した法案や国会のあり方などは、時事問題として出題される可能性が高いので、さまざまな社会問題と合わせて次の3つのテーマで整理してみたいと思います。

  1. 働き方改革
  2. 少子高齢化と経済対策
  3. 国会と公文書の改ざん

時事問題は、関連する社会問題や授業で学習したことに関連する出来事が出題される傾向があります。
その視点で考えると、この「働き方改革法案」と「法案ができるまでの過程」は、いろいろな切り口で時事問題にできるテーマといえます。
そこで第1回目は、「働き方改革」を取り上げます。

この働き方改革で焦点となっているのは、「雇用者」と「労働者」の関係の中での「働き方」であることを、最初に理解しておきましょう。

働き方改革関連法案の裁量労働制の削除

働き方改革関連法案では、裁量労働制の対象拡大が焦点となりましたが、厚生労働省が作った、裁量労働制に関する議論の基礎となるデータに誤りが多数あることが明らかになりました。
そのため、裁量労働制の部分については全面削除となりました。

裁量労働制とは

「裁量労働制」とは労働基準法で認められた制度です。
実際の労働時間に関わらず、事前に定めた時間だけ働いたとみなす制度です。
「裁量労働制」が認められる労働者は、仕事の業種が決められており、会社にこの制度を利用するという労使協定がある場合のみとなります。
そのため。裁量労働制を利用したい雇用者側は法律が定める厳しい条件を満たす必要があります。

裁量労働制の拡大

今回の働き方改革関連法案では、この裁量労働制を導入するための条件が緩くなるというものです。
裁量労働制を採用した場合は、実際の労働時間に関わらず、事前に定めた時間だけ働いたとみなす制度ですので、雇用者側は、現在法律で定められている労働時間の把握や記録の義務が免除となります。
そのため、この制度が適用された労働者は何時間働いても残業代は支払われないこととなります。

厚生労働省のデータ捏造問題

厚生労働省はこの裁量労働制の拡大を働き方改革に盛り込みましたが、法律をつくる理由となるデータに多くの誤りがあることがわかりました。
厚生労働省は、裁量労働制の方が一般労働よりも勤務時間が短くなるため、裁量労働制が取り入れられる方が労働者にとってもメリットが大きいという説明をしていました。
しかし、実際は、データを捏造した調査票の原本約1万件が厚生労働省の地下倉庫で見つかり、その立法事実(法律や条例の必要性や正当性を裏付けるもの)が揺らぎました。

高度プロフェッショナル制度と長時間労働

高度プロフェッショナル制度(高プロ)は、高度な専門知識があり、一定水準以上の年収の労働者について、労働時間規制の対象から外すという制度です。
柔軟に働きたい労働者にとって必要な法律だと説明されていましたが、この制度を必要としている人がどれくらいいるのかという調査に手抜きがあることがわかりました。
さらに、この制度は労働者が求めているのではなく、経済人や学識経験者から制度創設の意見があったために、創設するものであるということも明らかになりました。
労働時間の規制がなく、残業代を払わなくても良いことなどから、長時間労働や過労死に繋がるのではないかと懸念されています。

労働三権と労働三法

働き方改革関連法案は、一括法案といわれ、8本の労働法の改正をひとまとめで行う法律の通称です。
この法案の議論の過程では、「労働法はだれのためにあるのか」という点が焦点となりました。
憲法28条では、労働者(勤労者)の団結権について規定しています。労働者と雇用者の間には力の差があり、
労働者は不利な立場に立たざるをえないため、憲法では、国民の「団結権」「団体交渉権」「団体行動権」という労働三権を保障しています。
また、「労働基準法」「労働組合法」「労働関係調整法」の3つは労働三法と呼ばれ、数多く存在する労働法の中でも中心となるものです。

その他の時事ワード

働き方改革関連法案の議論の過程で、政府の論点ずらす答弁には、「ご飯論法」という名前がつけられ話題となりました。
また、過労死の遺族が長時間労働の弊害を訴えたり、労働基準法を無視したり残業代を払わない企業をブラック企業と呼ぶなど、いくつか時事ワードとなりそうな言葉も見られます。
それぞれ、どのようなニュースがあったのかを調べてみましょう。

【学習のポイント】

  • 働き方改革関連法案の議論では、「労働法はだれのためにあるのか」という点が焦点となりましたので、労働三権と労働三法について再確認してみましょう。
  • 働き方改革関連法案から裁量労働制の拡大が削除された経緯についておさらいしておきましょう。
  • 高度プロフェッショナル制度の内容と長時間労働や過労死にの問題について確認しておきましょう。

時事問題のノートでは13本の解説記事を読むことができます。

時事問題アプリに新しく追加したNoteという機能を有効にすると、このような記事を13本読むことができます。

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内容は、2019年度の入試に出題が予想される下記のテーマです。

  • 世界遺産
  • 第196通常国会と成立した法案
  • 日本国憲法
  • 周年問題
  • 朝鮮半島に関連する時事問題

合計で13本の記事になっています。時事問題アプリのクイズと一緒にぜひ活用してください。

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